『バーチャファイター』(Virtua Fighter)とは、セガのAM2研が開発した対戦型3D格闘ゲームである。
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1993年にアーケード版がリリース。その後いくつかの家庭用ハードに移植されるが、特に1994年にリリースされたセガサターン版はセガサターン本体の売上向上に大きく貢献した。 本作の各種資料は、スミソニアン博物館にも展示・保存されている。開発代表は鈴木裕。略称は「バーチャ」「VF」。
世界初の3D格闘ゲームであり、ナムコの鉄拳シリーズ、テクモのデッドオアアライブなどの先駆けとなったエポックメイキングな作品。
「初心者でも熟練者と戦える」「操作の上手さではなくセンスで勝負する」をコンセプトに、これまでの格闘ゲームでは難解になっていた操作系に大きくメスを入れた。8方向レバーとパンチ、キック、ガードの3つ(VF3ではエスケープを加えた4つ)のボタンによる操作系はシンプルながら自由度が高く、キャラクターごとに多彩な連携技を持つ。
また中国拳法など実在する格闘技を使うキャラクターやリングアウト制などにおいても2D格闘ゲームとの差異を強調させた。八極拳、ジークンドー、プロレス、パンクラチオン、虎燕拳、燕青拳、蟷螂拳、酔拳などが再現されている。
周辺事情
バーチャファイター2は、爆発的なヒットを記録し、マスコミにも全国ネットで取り上げられた。
有名プレイヤーに「新宿ジャッキー」「柏ジェフリー」「ブンブン丸」「池袋サラ」「キャサ夫」「ちび太」などがいる。中でも鉄人と呼ばれたプレイヤー達は一部の雑誌・TV媒体などにも取り上げられ、話題となった。また、彼ら鉄人により監修された格闘ゲーム『御意見無用』が1はセガサターン、2はプレイステーションで発売された。内容はバーチャファイターに酷似していた。
ゲームシステムや個々の技を記述した解説書『バーチャファイターマニアックス(アスペクト 1994年8月出版 ISBN 4893662643)』は武術研究家の松田隆智より拳法のリアルさの解説を受ける等それまでのアーケードゲーム関連書籍とは一線を画す詳細な解説書であった。さらに、続編『バーチャファイター2』の解説書『バーチャファイター2マニアックス(アスペクト 1995年10月出版 ISBN 4893664174)』には解剖学者の養老孟司へのインタビューを収録するなど、単に人気ゲームとしての枠を越えた広がりを見せた。
歴史
バーチャファイター
1993年12月、当時としては最先端であった3DCGアーケード基板 Model 1 により世界初の3D格闘ゲーム、『バーチャファイター』がリリースされる。3DCGにおいてはまだ人型のスムーズなアクションさえ珍しかった状況で、2体の人型が格闘をくり広げるという映像は、人々の度肝を抜いた。また、それまでの格闘ゲームではボタンがパンチとキックを弱・中・強(またはそれに近い形に)に振り分けられていたが、パンチ、キック、ガードと言う異色のボタンレイアウトを採用する。 リリース当初、あまりに斬新なゲームであったため、人気が出るまで時間がかかったものの、パソコン通信やゲーム雑誌に取り上げられるようになり、人気を博するようになる。セガによる公式全国大会も催され、1994年11月22日にはセガサターンへの移植版がキラーソフトとして発売された。
アーケード版:1993年12月稼働開始
セガサターン版:1994年11月22日発売
スーパー32X版:1995年10月20日発売
Microsoft Windows版:1996年6月26日
バーチャファイター2
1994年11月下旬、セガの新型3DCGアーケード基板 Model2 で製作された第2弾タイトルとして『バーチャファイター2』がリリースされる。基板の制約上、前作と同様フラットシェーディングであったが、モノクロ16階調のテクスチャーマッピングを巧みに盛り込み、表現力が一気に向上した。パイやラウなどの服に刺繍があるのは、ポリゴンを重ね合わせることによって出来た努力の賜物である。 描画速度に関しても、フレームレートが前作の秒間30フレームから57.5フレーム(アーケード版の正確な数値、セガサターン版は60フレーム)[1]に増加。前作ではどこか直線的・機械的な感じが残る動きだったのに対し、本作では曲線的・生物的な感触が十分に感じられる動きとなった。それを象徴するオープニングデモの演舞は珠玉の出来で、初めて目にした者の多くを立ち止まらせた。
蟷螂拳使いのリオン・ラファールと酔拳使いの舜帝が新キャラクターとして登場。ゲームシステムに大きな変化は無いが、既存のキャラクターにも新たな技が多数追加され、特にアキラの崩撃雲身双虎掌(通称アキラ・スペシャル)はその高い威力と派手な動き、そしてコマンド入力の難しさが話題となった。 しかし、稼動開始からしばらくしてゲームバランスに一部問題があることが発覚したため、それを修正したバージョン2.1をリリース、そこから本シリーズの黄金時代の幕開けとなる。公式大会のみならず、各地で非公式大会が催され、対戦格闘ゲームとしては『ストリートファイターII』以来のブームが訪れる。またこの作品はその優れたゲームバランスにより稼動開始から2〜3年経過しても新たな戦術が生み出される等、アーケードの格闘ゲームとしては寿命が際立って長く、そのためユーザーのレベルも高くなり、常に白熱した試合が繰り広げられていた。 また、この人気に乗じて、1のリメイク版である『バーチャファイターリミックス』がセガサターン互換アーケード基板 ST-V で1995年4月末にリリース、その2か月後の7月26日にはセガサターン版もリリースされる。これは主にST-Vのシェアを拡大すべく開発されたもので、初代のゲーム内容そのままに、キャラクターにテクスチャーマッピングを施しグラフィックを強化したものとなっている。 そして1995年12月1日には、移植不可能と言われていた『バーチャファイター2』がセガサターンに高いレベルで移植され、セガサターン初の100万本突破タイトルになると共に、セガ初の100万本突破タイトルにもなる。なお、累計出荷本数は150万本を超える。
1996年4月には、シリーズの市場拡大を目指し、子供向けにキャラクターをデフォルメした『バーチャファイターキッズ』がST-V にてリリースされる。3か月後の7月26日にはセガサターン版もリリースされる。本作では大塚ベバレジとのタイアップにより、同社の清涼飲料「ジャワティーストレート」「ENELGEN」がゲーム内広告として登場している。
国内外のドラマなどに小道具として使用されることがあり、The X-Files52話(3rd SEASONの3話)でも事件の手がかりとして使われた。
アーケード版:1994年11月稼働開始
セガサターン版:1995年12月1日発売
Microsoft Windows版:1997年9月5日発売
プレイステーション2版:2004年10月14日発売
バーチャファイター3
1996年9月、高まる続編の声に応えるべく、最新3DCGアーケード基板 Model 3 を使用し『バーチャファイター3』をリリース。航空機メーカーのマーティン・マリエッタ社製グラフィックチップによる大幅な画質向上と共に、ステージ形状が4角形から自由度のある形になり、高低差によるダメージの変動、エスケープボタンの導入による軸移動など意欲的な作品となる。キャラクターは更に追加され、力士の鷹嵐と合気柔術使いの梅小路 葵の2人が加わった。 登場と同時に全国的な人気を見せるが、ゲームバランス調整のため度重なるバージョンアップが行われ、ゲームセンターによってバージョンが異なるという事態も招いたため、プレイヤーを混乱させた(少なくともA/B/C/Dの4つバージョンがあり、ロケテスト版がA。ロケテスト店舗での先行稼動分がB、正式リリース版がC、Cバージョンの致命的なバグ[2]を修正した版がDバージョンとなる。なお、ゲーム中のバージョン表記は行われていなかったため区別が困難であったが、Dバージョンのみ、キャラクター選択時に名前の文字色が異なるので区別が容易だった)。
バーチャファイター3 tb
VF3から1年後の1997年9月、上記の複数バージョン混在の状況を打開すべく、『バーチャファイター3 tb』がリリースされる。tbはチームバトル(team battle)の略で、従来のシリーズが単一のキャラクター同士による個人戦であったのに対し、本作は複数のキャラクター(同一のキャラクターを選択することも可能)でチームを編成し、団体戦を行うシステムが大きな特徴である。 ゲームバランス統一の意図を持った半ば強引な作品だったにもかかわらず、都市部のゲームセンターにおいては『バーチャファイター2.1』当時に迫る熱気を取り戻し、大ヒット作となった。
1998年4月6日アメリカのスミソニアン協会から本シリーズがコンピュータソフトウェアとして歴史的な足跡を残したことを評価され、「1998 コンピュータワールド・スミソニアン・アウォード」を受賞し、ワシントンD.C.にあるスミソニアン総合博物館の国立アメリカ歴史博物館に各種資料が保管されることになった。
1998年11月27日、ドリームキャストのキラータイトルとして『バーチャファイター3 tb』が移植される。移植は元気が担当した。なお、当初はセガサターンに移植される予定だったが、残念ながら発売中止になった。
アーケード版:1996年9月稼働開始 バーチャファイター3 tb:1997年9月稼働開始
ドリームキャスト版(バーチャファイター3 tb):1998年11月27日発売
バーチャファイター4
2001年8月、社内でのバーチャ離れが進み、売上が低迷しつつあったセガは、最新汎用アーケード基板 NAOMI2 にて『バーチャファイター4』をリリース。グラフィックスの進化こそ比較的おとなしめであったが、カードシステムとネットワークサービスVF.NETの採用により、名前、連勝記録、段位、アイテムなどの管理ができるようになった。また、バーリトゥード使いのベネッサ・ルイスと少林拳使いのレイ・フェイが追加され、鷹嵐が離脱(開発日数の不足から、力士特有の肉体を満足に表現できなかったためとされる)。さらに、3で追加されたエスケープボタンが廃止され、『鉄拳』などと同様の、レバーによる軸移動が導入された。
2002年1月31日にはセガのマルチプラットフォーム戦略の一環としてプレイステーション2に移植された。今までセガ製ハードのキラータイトルとしてリリースされてきたバーチャシリーズが他社のハードで発売されることについて自ら揶揄するTVCFが話題となる。
バーチャファイター4 エボリューション
柔道家の日守 剛(ひのがみ ごう)とキックボクシング使いのブラッド・バーンズの追加、ゲームバランス調整、新技の追加を施し、2002年8月にNAOMI2 にてリリース。翌年の2003年3月13日にはプレイステーション2に移植された。
なおプレイステーション2版は、北米版と韓国版のみ、『バーチャファイター4 エボリューション』を『バーチャファイター』のグラフィックと操作感覚でリメイクした『バーチャファイター 10th アニバーサリー』が特典として同梱されている。日本では、同年11月28日に出版された書籍『バーチャファイター 10th アニバーサリー 〜 メモリー・オブ・デケード』 (ISBN 4-7577-1660-5) の特典として同梱された。欧州ではプロモーション用ソフトとしてのみ登場し、非売品であった。